阿波晩茶40年の物語、針木茶園の情熱が紡ぐ徳島の味

徳島の一次産品をお菓子屋の目利きでご紹介する「とくしま YELL プロジェクト」。
イルローザは、お菓子を通して徳島の魅力をお客様にお届けしたいと考えています。私たちが本当にお伝えしたいのは、徳島の素晴らしい素材そのものだけでなく、その裏側にある「生産者さんの想い」です。このブログでは、お菓子屋として徳島に根差し、地域と密接に関わる私たちが、徳島で情熱をもってものづくりをされている方々をご紹介していきます。
今回は、かねてよりその製法と歴史に感銘を受けていた、阿波晩茶の伝統を守り続ける針木茶園さんにお邪魔してまいりました。3代(息子さんを含めると4代)にわたって受け継がれてきた製法、そして高齢化が進む産地での未来への挑戦について、たっぷりお話を伺ってきました。
土用越しの太陽が育む。乳酸菌が紡ぐ阿波晩茶の奇跡

阿波晩茶の最大の特徴は、一般的なお茶とは全く異なる「後発酵製法」にあります。
針木さんのお話で私が特に目を奪われたのは、その製法における「天候」への深いこだわりです。
「一番美味しいのは、暑い時期(土用後)に摘み、強い太陽の下で作った晩茶」だという針木さん。カラッとした天気で2〜3日で乾燥させることで良い品質になるため、天候を見極めるのが最も重要な仕事です。天気が悪いと、通常20日程度の漬け込み期間が40日以上になることもあるそうで、自然と共にある生産者さんの厳しさを痛感しました。
そして、この伝統を支えるのが、漬け込みに使う樽に住み着いた「乳酸菌」です。
乳酸菌が豊富に含まれ、水溶性のため水出しでも効果があることが科学的にも証明されています。針木さんは、「孫たちにも安心して、最初のお茶として薄めて飲ませてきた」と笑顔で語ってくださいました。昔から「二日酔いや風邪にも効果がある」とされてきた知恵は、まさに「健康になるお茶」として地域に愛されてきた証拠でしょう。
カズラとの戦い、そして「樽オーナー制度」に託す未来

針木茶園さんが阿波晩茶づくりを本格的に始められたのは、約37〜38年前(昭和61年頃)。実はそれ以前はみかん栽培が中心でしたが、昭和56年の大寒波で壊滅的な被害を受けた後、イチゴやスダチなど様々な作物を経て、この晩茶にたどり着いたそうです。
しかし、この伝統を守る道は平坦ではありません。
高齢化と真夏の暑さによる人手不足が最大の課題であり、急斜面での作業は非常に大変です。特に大変なのは、お茶の木に絡みつく「カズラ(葛)」との戦いです。下刈り機で刈ると根が残り増殖するため、熟練の握力と技術をもって鎌で根から刈る必要があるというお話からは、徳島の豊かな自然がもたらす恵みと、それを維持するための並々ならぬご苦労を感じました。
そんな厳しい現状の中で、針木さんが未来を託すのが、協会が主導する「樽オーナー制度」です。若い世代がオーナーとなり晩茶作りを体験・継承する仕組みを通じて、この貴重な伝統文化を次世代へ繋ごうという熱意に、私自身、大きな希望を感じました。
徳島と、人々と、ともに。
イルローザはこれからも、徳島の風土と、情熱あふれる生産者さん、そしてお客様とのつながりを大切に、お菓子づくりを続けてまいります。
徳島には、こんなにも熱い想いを込めてものづくりに励む方々がたくさんいらっしゃいます。私たちは、お菓子を通じて徳島の魅力を発信するだけでなく、阿波晩茶のように、地元の長年愛されている伝統とイルローザのお菓子を組み合わせることで、「飲む」という素朴な魅力を直接お客様にお届けできる場も作っていきたいと考えています。
徳島の伝統と知恵が詰まった阿波晩茶を、イルローザオンラインショップで!

今回取材させていただいた針木茶園さんの阿波晩茶を、イルローザオンラインショップでご紹介・販売を予定しております。
お菓子とのギフトセットなど、その魅力を最大限にお伝えできる形で準備を進めておりますので、ぜひご期待ください。
【阿波晩茶の飲み方のポイント】
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淹れ方: 85度くらいの温度で淹れると、色も香りも最も良くなります。濃さにもよりますが、3回程度はお湯を足してお飲みいただけます。
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水出し: 冷ました水に晩茶を入れ、4〜5時間置くと綺麗な色になり、乳酸菌の健康効果も損なわれせん。
この機会に、生産者さんの想いが詰まった特別な徳島の宝を、ぜひご賞味ください。
(文責:イルローザ社長 岡田)
