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徳島県との関わり

20年の歳月を経て見出された果実。すだちファームおおなかさんの「阿波すず香」

すだち農園での大仲さんとイルローザ岡田社長

徳島を代表する柑橘といえば「すだち」ですが、皆さんは「阿波すず香(あわすずか)」という果実をご存知でしょうか。

すだちとゆずを掛け合わせて生まれたこの品種は、もともと徳島県が将来の新品種開発の一環として、20年以上前から試験栽培を続けていたものでした。

今回訪ねたのは、名東郡佐那河内村でこの阿波すず香を大切に育てている「すだちファームおおなか」の大仲香織さんと、お父様の勇さんです。

徳島の新しい特産品、そして農業の未来を繋ぐ親子二代の取り組みについてお話を伺いました。


偶然の発見から始まった、8年目の栽培

すだちファームおおなか  すだちファームおおなか

阿波すず香が現在のように栽培されるようになったきっかけは、栽培現場でのある気づきでした。 試験栽培の調査が終わり、通常であれば役目を終えるはずだった木の実を、大仲さんが試しに鍋のポン酢にして食べたところ、非常に美味しかったと言います。

「これならいける」

そう感じた大仲さんが、品種登録と栽培を申し出たことが、栽培開始のきっかけとなりました。栽培を始めて現在で8年目を迎えます。

大仲さんが感じる最大の魅力は、皮の苦味が少なく、素材そのものを楽しむのに適している点です。 皮にえぐみがなく、火を入れても独特の香りがしっかりと残るため、茹でこぼす手間がいらない点も、お菓子づくりにおいて大きな利点となっています。


「一生一作」。種を信用に変える哲学

すだち農園ですだちを見る大仲さんとイルローザ岡田社長  すだち農園で大仲さんとイルローザ岡田社長がすだちを見ている様子

栽培において、大仲さんの家では代々受け継がれてきた哲学があります。

お父様の勇さんはかつて種苗会社に40年余り勤められた、種の専門家です。そのお父様が大切にされている言葉は「信用」です。 「種が育ち、実になり、お金に変わって初めて『あの種は良かった』と信用されるんだ」という教えを大切にされています。

農業は、一年に一度しか収穫がありません。だからこそお父様は「一年一作というが、一生一作である」と語ります。作り手と作物の相性、そしてその土地に合った作物を選ぶことの重要性を説いています。

その「信用」を重んじる姿勢は、今、娘である香織さんへと受け継がれています。


農業の未来を、次の世代へ繋ぐために

香織さんは、地元の女性農業者のネットワーク「アグリガールズラボ」でも中心的に活動されており、現在は約60名もの仲間と共に切磋琢磨されています。 彼女が農業に向き合う中で大切にしているのは、子どもたちに働く姿やその成果を見せることです。

「農業を継いでもらうには、安定した収穫はもちろんですが、楽しく取り組んでいる姿を見せることが大切だと思っています」

そんな香織さんにとって、イルローザとの連携は、一つの成果を形にする機会になっていると言います。 私たちが阿波すず香をクリスマスケーキなどに使用することで、自分たちが育てた作物の成果が、身近な場所で販売される。それを子どもたちが目にすることが、次世代へ農業を伝えていくための一つのモデルになると考えていらっしゃいます。


徳島と、人々と、ともに。

すだちファームおおなかのすだち

阿波すず香は、以前は焼き魚や刺身などの「和食の薬味」としての使い道が主だと思われていました。しかし現在では、お菓子や家庭での活用など、皮まで使える新しい価値が認識され始めています。

取材を通じ、大仲さん親子の「信用」を大切にする誠実な姿勢に触れ、私たちも大きな刺激をいただきました。

イルローザはこれからも、徳島の風土が育む素材と、大仲さんのような志を持った生産者さんの想いを、お菓子を通じて皆さまにお届けしてまいります。

(文責:イルローザ社長 岡田)